ポートカブは1967年に発売された女性や高齢者をターゲットにしたモデルです。2017年に放送された朝の連続テレビ小説「ひよっこ」にも登場しました。
スーパーカブC100の廉価版として軽量化や装備を簡素化し、当時の価格で43,000円という低価格を実現しています。

ポートカブの特徴

重量も54kgと軽量で、自転車の延長線上にある乗り味が魅力です。
ポートカブのポート(港)は世界中すべての港に溶け込むようなモデルという思いが込められています。
前後のホイールはスーパーカブC100の17インチに対して、15インチにサイズダウンし、取り回しや足つきの向上が図られています。
ヘッドライトのスイッチが真横にあり、必要な際にON/OFFします。
1962年時の道交法では義務づけられていなかったウインカーやテールランプがありません。
そのため、進路変更時、手信号で他車両に知らせる必要がありました。

ギアは2速ミッションとなっていて0~20kmまでのローギアとそれ以上のハイギアになっています。
キックスターターでエンジンを始動しますが、女性でも始動しやすいように従来の左側から右側に配置されました。
最高速度はリミッターによって50km/hに抑制されているのも特徴です。

他にもコストダウンのため、スプリングのみのフロントフォークやパイプハンドル、バッテリーも搭載されていません。
ボディは溶接の簡素化と材料削減のためプレスアンダーボーンフレームが採用され、専用部品が多数使用されています。

多くの人がスーパーカブC100を選ぶことに

スーパーカブC100より12,000円安く設定されたポートカブですが、多くの人がパワフルなスーパーカブC100を選びました。
また、バイクに乗る女性が当時は少なかったなどの理由から、1964年に販売不振のため製造中止となっています。
時代から早すぎたかもしれません。発売時期がもう少し遅ければヒットしていたかもしれません。