郵政カブ「MDシリーズ」とは

バイクに詳しくない人でも、郵便局の配達用バイクといえば赤と白のバイクがすぐに思い浮かぶでしょう。
あれはホンダの「MD」というシリーズで、「郵政カブ」などと通称されています。
運搬性能の良さと耐久性の高さから郵便配達にはなくてはならないバイクなのですが、その性能の高さと希少性から一般のバイクファンのなかにも欲しがる人が少なくありません。

「MD」シリーズには、排気量によって3つの種類があります。
最も小型なのが「MD50」で、その名のとおり50ccのバイクです。
自動二輪の免許を持っていない人も郵便局員のなかにはいますから、そういう人たちにとって普通自動車免許で乗れる50ccは高い需要があります。
50ccとはいえホンダの純日本製のバイクですから、性能の高さはお墨付きです。

「MD50」の次のクラスが「MD90」で、郵政カブでいちばん数多く出回っています。
そして最も大型なのが、「MD110」という排気量110ccのバイクです。
3種類のなかで最も排気量が大きいだけに、たくさんの荷物を一度に運べるパワーがあります。

郵政カブの驚きの運用方法

郵便配達は、暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も毎日行われています。
盆も正月も、ゴールデンウィークも夏休みも関係ありません。
ですので、冬場は雪の中でも配達が行われています。
そんな郵便局ならではの郵政カブの運用方法が、積雪があってもタイヤチェーンをつけて稼働することです。

車と違ってバイクは雪が降ると乗れないイメージがありますが、郵便配達はやめるわけにはいきません。
そのため、郵政カブにはオプションにタイヤチェーンを導入し、雪が積もった道路でも走れるようにしているのです。
実際、北海道などの雪国では地面が根雪で覆われている真冬の時期でも、郵政カブが走っているのを見ることができます。

とはいえ、二輪しかありませんからチェーンをつけても危険なことは変わりません。
荷物を載せてゆっくり走れるぐらいです。
それでも、雪の日にバイクが使えるのと使えないのとでは大きな違いですね。

郵政カブを個人で手に入れる方法

郵政カブは郵便局専用にホンダが製造販売しているモデルです。
したがって、一般の個人は新車の郵政カブを購入できないことになっています。
どうしても新車に乗りたいのなら、郵便配達のバイトに採用されるのを狙いましょう。

現実的な方法で郵政カブを手に入れるなら中古車市場が狙い目です。
なかでも、多くの台数が出回っているMD90は比較的中古車市場で見かけます。
ただし、中古車市場に出ている車両は本業の郵便配達に酷使されてきた車両です。
もとがホンダ製のカブだけに品質は高いですが、中古で買う場合、駆動系はしっかりチェックしておきましょう。