人気のスーパーカブは派生モデル多数
1958年にC100から始まったスーパーカブは非常に人気な車種ですが、それは業務用として優れているだけではなくその頑丈さを含めた性能面でも圧倒的だったからです。それ故に日本以外で海外にも根強い人気を博し、一部の地域ではオートバイの代名詞がホンダになってしまったほどです。
そんな大衆向けで業務用としても大活躍を果たしたC100でしたが、ホンダとしてはスポーツモデルのモデルも欲しかったのです。125ccのC90をベースに開発もしていたのですが、高くなりすぎたので断念することになりました。しかしそこで諦めなかったホンダは、発売当初から人気となったC100のエンジンを使って50ccのスポーツモデルを開発したのです。それが1960年に発売されたC100のエンジンを搭載したC110になります。
今回のお話はこのC110からさらに派生して作られたモデルの『C111』と『C110S』と『C115』のお話になります。いわゆるスポーツカブとして誕生し、カブ好きにセンセーショナルを起こしたスポーツモデルはその影響からか多くの派生モデルも誕生しました。
C111について
C111はC110と同時発売されたスポーツモデルのカブですが、知名度はそこまで高くなく知る人ぞ知るモデルとなっています。C100と同じように自動遠心クラッチシステムを搭載しており、多くの方に走る楽しさを知ってもらうために作られたスポーツモデルとなっています。50ccでもスポーツランを気軽に楽しめる性能となっているのが特徴です。
基本的にC100と形状が一緒なので間違われることが多いのですが、違いが多数存在しているためC110とは違う専用番号が用意されたのです。
C110Sについて
こちらはスポーツモデルとして登場したC110にリヤキャリアやシングルシート、アップハンドルなどを追加して1961年8月に発売されたC110改良型スポーツモデルとなります。C110はスポーツモデルでしたが操作したときの安定性の高さや実用性が高かったために、それをより高めることを目的として作られたモデルなのです。
この頃はスポーツタイプのバイクに対して、日本全体が熱を上げておりメーカーも力を大きく入れていた時代だったので、スポーツタイプでありながらも実用性がより求められることが多かったのでしょう。
C115について
C115は1961年10月に発売されたスポーツモデルで、C110Sと発売時期が2ヶ月程度しかずれていません。しかし、ボアを2mm広げたことで54ccとなり2人乗車が可能となったという大きな違いがあります。2人乗りが可能なモデルであるため、タンデムが可能となるように見た目も変わっているのです。
54ccになる事で法定速度が上がる等のメリットがあり人気のモデルとなりました。このC115からさらに派生した『C113』や『CG110』など派生モデルも多いが特徴となっています。